日本のバブルが崩壊してから不良債権処理や政府の緊縮財政、さらに日銀の金融政策の不備も追い討ちをかけ、20年以上に渡る経済の低迷が続きました。その長年に渡るデフレよって、いままでの資産の運用に関しては利息がつかないものの、銀行預金が安全で確実でした。物価が下がっていくデフレ経済なので、不動産や株式などの金融資産は価値が目減りし続けます。つまり資産は現金で持っているのが最良の運用だったのです。ただし、それはデフレ経済を続けている限りの話です。
2013年4月、ついに長期に渡る経済停滞を打破すべく、本気でデフレ退治を開始しました。デフレ脱却への一つの鍵となる金融政策では、黒田日銀総裁や岩田日銀副総裁のもと2年間でマネタリーベースを2倍にするという明確で大胆な政策を打ち出し、市場へ巨額の資金を供給し続けます。さらにアメリカの景気にも明るさが見られ、FRBが金融緩和の出口戦略について考えているという思惑が出ると米ドル高が極度に進行し、日本の株式市場も活況を呈しています。
日本銀行が何が何でもインフレターゲット2%を達成しようとするということは、不動産や株式などのリスク金融資産の価値が上がり、現金の価値が下がるということです。日本の政策金利が上昇するまでには相当の時間がかかるので、銀行預金では現金資産の価値の目減りを埋めることはできません。つまり日本がデフレを克服し、安定した2%インフレを続けるということは、資産を運用することができないと資産価値が目減りし続けるということになってしまいます。
そもそも「インフレ」と聞くと良いイメージを持つ人は少ないかもしれないですが、2%程度のインフレというのは経済成長にとって健全な数値です。現金の価値が年に2%程度下がるということは、少なくとも企業にとって負債は実質2%下がり、売り上げは名目2%上昇します。世界的な金融緩和政策に出遅れた分に追いつくことで、過度な円高に陥るリスクも減ります。
つまり株式投資をするには良い環境が整ってきていると言えます。株式は元本が保証されていないリスク資産ですが、リスクがあるからこそ、その分リターンがあるのです。このブログでは最低限中の最低限、株式投資を実践するにあたって知っておいた方が良いことについてまとめています。もちろん株式投資の結果は全て自己責任なので、初心者の方はさらにじっくり勉強してから臨まれることをおすすめします。株式投資は資産防衛だけでなく、資産を増やすという「攻め」の性質がメインかもしれませんが、そこには常にリスクがあることを忘れてはいけません。