株式の売買をすると、安く買って高く売った(または高く売って安く買い戻した)場合に「譲渡益」という利益が発生します。この利益については税金を支払わなければなりません。特定口座とはその税金を支払う手間を軽減してくれる口座なのです。
◆特定口座と源泉徴収
特定口座にすることによって、1年間の株式などの売買損益を証券会社等が投資家に代わって計算してくれます。つまり証券会社が売買損益の「年間取引報告書」を確定申告の時期になると送ってきてくれるので確定申告が楽になるわけです。特定口座にしない場合には自分で計算して「計算明細書」を作成して確定申告をする必要があります。
さらに特定口座で「源泉徴収あり」を選択すると、確定申告も不要にすることができます。「源泉徴収あり」だと株式売買を行って利益を得た時にその利益からあらかじめ課税分を引いてから自分の口座に現金が支払われます。逆に株式売買で損失が発生した場合は今年分に払った源泉徴収分は返還されるので損することはありません。
◆譲渡損失の3年間繰越控除
株式売買などで損失が発生した場合、確定申告をする時に過去3年間に支払った譲渡益から損失分を返還してもらうことができますが、特定口座で源泉徴収ありの場合でも確定申告をすることによって返還を受けることができます。
例えば特定口座の源泉徴収ありで取引をしていた場合(源泉徴収は20%としておきます)、去年は100万円儲けて20万円税金を払ったが、今年は50万円損してしまったとすると、トータルでは50万円の儲けなので税金を10万円も過払いしていることになります。
そのような場合でも確定申告をすることで過去3年間までに支払った譲渡益税なら還元することができます。
◆源泉徴収なしにするメリット・デメリットとは
源泉徴収なしにすることで以下のようなメリットが考えられます。
①複数の証券会社に口座があり、年間の取引で赤字の口座がある場合確定申告を行なうことによって赤字分の税金を相殺できる。
②所得税の支払いは翌年4月、住民税は翌年6月から分割して納付することができるので税金部分を運用することが可能。
③医療控除・寄付控除等確定申告を行なっている。
④給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下であるので確定申告の必要がない。
ちょっとテクニカルな感じもあるんで、初心者の方は源泉徴収ありにしておいた方が楽だと思います。
確定申告することのデメリットとしては、株での利益も収入の一部として合算される為、国保の負担が増えたりする可能性が有ります。